キャラ紹介【平凡な一日】

【ほのぼの暮らし　神田綾音】

あの日はいつもと同じ、平凡で普通な一日だった。

魔王城の柔らかいベッドで眠りについた神田綾音。目が覚めると、彼女はなんと元の世界に戻っていたのだ。

異世界での出来事はまるで夢のようで、跡形すら残っていない。

異世界にいたと証明できる唯一の証拠は、自分が勇者として過ごした苦しい日々や、魔王城での生活の記憶だけだった。

これで現代に戻り、便利で楽しい日常を満喫できる──そう思っていたが、夕食時の母の一言で、事はそう単純ではないと気づくことに……

……とはいえ、複雑な事情があっても、美味しい故郷の料理を楽しむことの妨げにはならない。

元の世界に戻ってきた本当の理由を探すのは後回しにして、まずは焼肉を楽しもう！

「やっと必修のレポートを書き終わった。すき焼きを食べて自分を労おうっと～」

【エリートOL　神田莉央】

沈着冷静で判断力があり、何でもできる人──神田莉央に初めて会う人が抱くのは、まさにそんな第一印象だ。

商社の部長として名を馳せる神田莉央は、迅速果断、アメとムチのスタイルで知られており、その強硬な手腕によって部門全体を一枚岩にまとめ上げた。

その働きぶりから、職場では「氷の女王」とまで呼ばれている。

だが、皆が知らない事実がある。それは、離婚後ずっと娘を一人で育てているということだ。

普段は多忙で家事に割く時間がなく、ベビーシッターに子どもの世話を頼まざるを得ないが、仕事に余裕ができれば必ず娘のためにサプライズや贈り物を用意し、惜しみない愛情と称賛を注いでいる。

完璧な母親とは言えないかもしれない。しかし、神田綾音にとって彼女は、何より誇り高い自慢の母親なのだ。

「長々と効率の悪い会議は開くべきじゃないわ。目的が明確じゃない会議なんて、無駄なだけだもの」

【お茶目ギャル　ブリトニー】

知恵と美貌を兼ね備えた天才美少女軍師にとって、芝居や場のコントロールなど朝飯前だ。

唯一の難題といえば、今回演じる役柄と舞台が、彼女の慣れ親しんだ日常からあまりにもかけ離れていることくらいだろう。

理解不能な書物の数々、自分の価値観とは正反対の環境、さらに勇者を可能な限り欺き続けねばならない超高難度の即興。

面白い！刃の上を舞うようなこの危険な状況こそ、軍師の腕を見せつける絶好のチャンスだ。

そこで、神田綾音の親友にして天才白ギャル女子大生──ブリトニーが華々しく登場。

神田綾音の傍らに常に寄り添う二人の役者の一人として、ブリトニーには「このリアルなショーが破綻しないように取り繕い、なおかつ魔王シーザーを存分に楽しませる」という重大な役目が課せられたのだ。

「これが異世界の服かぁ。意外と私に似合うじゃん。千年に一人の美少女は何を着ても似合うね。さすが私～」